メンタルヘルス研究センター
センターの概要
- 産学協同とR&D 事業所の人事総務部門と協同して、メンタルヘルス対策の研究を推進します。
- メンタルヘルス研究センターは、企業における人的資源管理の”研究開発の場”です。
- 企業のメンタルヘルスの実態把握と現実に即した対策の提案を行います。
- 人材育成・過重労働対策・メンタルヘルス対策を担う人事総務担当者の育成を推進します。
研究者
- 研究員 佐野 友美
- 上席主任研究員 佐々木 司
メンタルヘルス対策は人的資源管理
企業のメンタルヘルス対策の目的は、労働生産性の維持・向上とリスク管理と言えます。
したがって、個人の心の健康問題に止まらず、組織(職場)の心の健康を向上させることがポイントです。
社員の睡眠不足(慢性疲労)、不眠症、うつ病やアルコール依存症などの"精神的な不調"は、集中力やモチベーションを低下させ事業活動に不具合をもたらします。
その結果生じる、生産性の低下は市場での競争力を低下させます。自治体や医療・福祉などの対人サービスの職場においても、顧客や市民に提供するサービスの質が低下し、各種のトラブルが起こり易くなります。さらにメンタルヘルスの悪化した職場では、うつ病による欠勤や休業そして、社員のモチベーション低下による離職が増える結果、人材の損失も生じます。
組織のメンタルヘルスを向上させることは、最終的には、企業の生産性向上と各種の訴訟などのリスクの軽減に役立つので、企業における人的資源管理(人材マネジメント)の重要な柱と言えましょう。
日本の研究の現状
メンタルヘルス対策として職場のストレスを調査し、職場環境改善を行うことが非常に有効ということが明らかになりつつあります。
一方、先に示したようにメンタルヘルス対策は人材マネジメントですから、個々のメンタルヘルス不調者に対する個別対応(たとえば職場復帰の支援)が欠かせません。実は、この個別対応についての研究が発展途上なのです。
『職場復帰がうまく行かない』のは産業保健専門職や人事総務担当者の力が足りないのでは決してありません。
メンタルヘルス(産業精神保健学)と精神医学の研究の現状はまだまだ現場のニーズを満たしているとは言えないでしょう。
重点研究課題
- メンタルヘルス不調者の職場復帰支援の標準化
- 人事総務部門における過重労働対策の支援
- 現代的な心の健康問題の調査研究