理事長挨拶
102回目の創立記念日を迎えて
102回目の創立記念日を迎えました。
G7労働雇用大臣会合を終えて
今年は4月22,23日にG7労働雇用担当大臣会合が倉敷で開催されました。倉敷が開催地に選ばれた背景として、およそ100年前に大原孫三郎によって倉敷労働科学研究所が創設されたことがあげられました。我々にとって大変誇らしいことであり、労働雇用大臣会合の成功に向けて倉敷市、岡山県、厚生労働省に最大限の協力を行ってきました。3月30日にはプレイベントとして倉敷市とともに記念シンポジウムを倉敷で開催し、1000名を超える多くの市民が参加して、大臣会合の機運が盛り上がりました。
倉敷労働雇用大臣会合では「人への投資」の促進をテーマに倉敷宣言が取りまとめられ、広島で開催されたG7サミットのコミュニケにも採択されました。本年度の政府の「骨太の方針」にも政策の柱として「人への投資」が位置づけられ、これから予算・制度として具体化されていくことを期待しています。
あわせてG7労働雇用大臣会合に出席されたEUのシュミット委員(雇用・社会的権利担当)が帰国前に労働科学研究所を訪問され、労研の活動を高く評価していただくとともにメンタルヘルスやリモートワークに対するEUの取り組みをご紹介いただくなど国際協力の面でも有意義な活動ができました。
今後ともこれまで行ってきた諸活動を継続強化するとともに、次の3点に力を入れてまいります。
維持会とのコミュニケーション
第一は維持会とのコミュニケーションの強化です。維持会員は労働科学研究所を支えていただいている存在にとどまらず、我が国産業の安全や健康の向上を共に推進するパートナーです。維持会の皆さまとの様々な意見交換などコミュニケーションを通じて労働現場の課題を見出し、解決の方策を探っていきたいと考えています。お気づきの点がありましたら、何なりとご相談ください。「働き方の未来を50人が読む」調査も維持会の皆さまと協力して充実させていきます。
地域との連携
第二は地域との連携です。働きがいがある、働きやすい職場を実現しようとすると、地域の視点が欠かせません。日本は多くの地域からできていますが、それぞれに個性があり、特徴があります。労働科学研究を地に足がついたものにするためにも地域と連携し、しっかりと地域の課題に向き合うことが欠かせません。まず創業の地である倉敷で実践を始めています。
産学協働
第三は産学協働です。桜美林学園に研究の場を提供していただき、着実に産学協働が進んでいます。特に日本労働科学学会は学術界、教育界のみならず産業界も参画したユニークな学会として活発に活動を続けています。労働科学研究所は全面的に学会をサポートして労働科学のすそ野の拡大に注力しています。
創立記念日を機に所員一同心を新たに労働科学の発展に取り組んでまいります。 引き続き皆さまの変わらぬご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。
令和5年7月1日 濱野 潤

理事長 濱野 潤