公益財団法人 大原記念労働科学研究所
公益財団法人
大原記念労働科学研究所
The Ohara Memorial Institute for
Science of Labour

理事長挨拶

105回目の創立記念日を迎えて

105回目の創立記念日を迎えました。ウクライナに加え中東でも対立が深まるなど混とんとした世界情勢の下、国内では物価上昇が続き将来の見通しが難しいなど厳しい経営環境の中ではありますが、労働科学研究所は一歩一歩歩みを進めています。

初めての赤字転落

これまでの10年間新生労研は何とか経常黒字を確保してきましたが、2025年度は残念ながら赤字に転落しました。収益面では最大の収入源である委託研究収入が24年度の低迷をさらに下回り、ピーク時の約半分まで落ち込みました。支出面では事務所移転に伴う費用や事務所経費増もあり24年度とほぼ同水準でした。この結果収支は大幅赤字となりました。容易ならざる事態ですが、現在実施中の第三次中期計画の残存期間である2026,27年度の2年間を集中改革期間として、収益・支出両面から立て直しを図り、2028年度から始まる第四次中期計画で何とか再生の姿を描きたいと考えています。そのためにまず優先すべきは収益の増大です。

委託収入減少の要因

委託収入の減少には発注側、労研側それぞれの変化があります。発注側では労研をよく知る世代のリタイアなど世代交代やAIの本格導入などコロナ後の企業の行動変容があります。労研側では基本的に委託受注が受け身であることに加え、幅広いネットワークを持つ人材のリタイアなど世代交代が進行する一方新たな企業・団体とのネットワークづくりが十分でない、インターネット活用が開発途上で発信力が高まらない等の克服すべき課題があります。

収益増大に向けて

委託収入増大のためには、発注側の変化を敏感に察知し、発注側のニーズをしっかりと分析し費用対効果をもとに委託調査の類型に応じ戦略的に対応していく必要があります。既存ツールの棚卸しと人気商品のプレイアップといったマーケティング上のてこ入れや収益に結びついていない事業の再起動も欠かせません。労研の諸事業の進め方についてもこれまでのやり方にとらわれず、他の企業・団体との協業を通じて新たな収益機会を創出するなど収益源の多様化に積極的に取り組んでいきます。

支出面での見直し

これまでも支出見直しはできる限り進めてきましたが、収支構造の変化に応じてさらに検討を深める必要があります。第一の課題は人件費です。委託研究の成果に応じた歩合給の見直しを行っていますが、持続可能な給与体系の構築に向け、今後とも所員の合意を得つつ進めていきます。第二には出版費用です。広報については紙媒体から電子媒体へと重点を移しています。そうした中普及誌『労働の科学』のあり方についても雑誌発行についての社会の動きなどを踏まえ総合的な検討を進めてまいります。第三は事務所費用です。現在大塚の本部と桜美林学園町田キャンパスに設置しているラボの2事務所体制になっていますが、リモートとリアルのハイブリッド勤務を基本とする労研にとって最適な事務所体制を今後とも模索していきたいと考えています。

むすび

労働科学研究を通じて社会に貢献すべく、所員の知恵と努力を結集していきたいと願っています。今後とも関係各位のご協力とご支援をお願い申し上げます。

令和8年7月1日 濱野 潤

理事長 濱野 潤

理事長 濱野 潤