公益財団法人 大原記念労働科学研究所
公益財団法人
大原記念労働科学研究所
The Ohara Memorial Institute for
Science of Labour

中国との国際協力活動

活動の歴史

当研究所は、これまで多様な形態で中国との接点を持って研究活動を行なってきました。
特に、当所に国際協力部が設立された1990年以降は、中国の教育機関・医療機関や学会等との研究協力の機会が増えています。
現在では、当研究所の安全研究グループによる日中共同研究事業や、中国に関連した経営者団体や企業による労働安全衛生技術向上の共同研究やセミナー、労働組合を通じた日中共同プロジェクトへの技術支援などを通じ、日中の学術交流をすすめています。

研究者の交流

当研究所では、労働衛生関係の視察者を長年にわたり受け入れてきましたが、1980年代後半以降、中国の労働衛生機関と協定し短期・長期留学生、特別研究員等を受け入れてきました。また、国際協力センター主催の日中2カ国セミナーなどで研究交流を図っています。また、共同研究の例としては、上海応用技術学院・環境とエネルギー工程学部との間で研究協力協定を締結し、上海市で企業管理職を対象とした安全教育プログラムなども実施しております。なお、最近の活動例は以下です。

  • 2005年 上海応用技術大学 安全工程学科卒論指導
  • 2005年 江蘇工業大学 安全管理研究会講演
  • 2006年 上海市化学工業安全管理者研修会の実施
  • 2007年 上海海事大学安全文化研究会講演
  • 2008年 上海交通大学原子力安全管理研究会講演
  • 2009年 第1回日中安全管理理論と実践国際シンポジウム共催(西安)
  • 2010年 広州市 労働災害とリハビリテーション国際シンポジウム講演
  • 2011年 日中現代安全技術と管理国際シンポジウムを上海海事大学と共催
  • 2012年 首都経済貿易大学安全科学国際シンポジウム基調講演(北京)
  • 2016年 第2回日中安全管理理論と実践国際シンポジウム共催(西安)
  • 2016年 中国石油危険化学品HSEリスク管理及び制御技術シンポジウム基調講演
  • 2016年 安全管理研究会基調講演(西安科学技術大学)

経営者団体・労働組合による国際協力への技術支援

2001年度から日本経団連国際協力センター(NICC)による労働安全衛生のセミナーでの講師やアジア全域の経営者団体との国際協力を通じて、中国との新たな関係を構築しています。
2003年度からは国際労働財団(JILAF)と中華全国総工会(中国の労働組合の連合体)との共同現地プロジェクトであるPOSITIVE (Participation Oriented Safety Improvement by Trade Union InisiatiVE) プログラムに対する技術指導を行ないました。本プログラムは参加型の実践的職場環境改善の労働安全衛生トレーニングプログラムで、アジア10カ国で展開されて、これまでに現地の労働安全衛生教育トレーナーが数多く育成されています。
2005年度の日本経団連国際協力センター(NICC)との共同研究(「労働安全衛生マネジメントのベストプラクティスと企業の国際競争力」)では、中国の経営者団体を含むアジア全域の安全衛生技術向上の視点を検討して報告書をまとめました。2005年度も国際労働財団による継続的なフォローアップトレーニングの技術アドバイザーとして国際協力センター所属の研究員が訪中し支援活動を行っています。