日本人間工学会 医療MSDs懇話会に参加してきました。
去る8月21日、一般社団法人日本人間工学会医療労働関連MSDs (Musculoskeletal Disorders 筋骨格系障害) 研究部会主催の「医療MSDs懇話会」に初めて参加させていただきました。医療労働関連MSDs研究部会は、「すべての医療従事者を守る快適な労働環境をつくる」を目指して、関係者が協働・活動を行う部会です。第8回目となる今回の懇話会は、「"姿勢を変える"を考える」をテーマに、姿勢と作業環境のあり方を皆で考え、医療現場のMSDsの予防を目指す会でした。
会の前半の見学会では、オカムラ(あの椅子の株式会社オカムラ様です!)ガーデンコートショールームを訪問させていただきました。オカムラ様では、"座る"のプロフェッショナルである「オカムラチェアマスター」という独自の社内認定資格があります。そのチェアマスターから、シミュレーターでの座位姿勢、座圧、背圧などの確認や解説、実際の椅子のパーツや構造を詳細に説明いただきました。また、展示されているデスクチェアはタイプや価格など多種多様で、座面の高さや背もたれの角度調整はもちろんこと、座面の角度や長さ、肘置きの位置を調整できるものもあり、体格、作業内容、座り心地、予算などにフィットしたチェアを選ぶことが可能でした。

シミュレーター:座位姿勢、座圧、背圧などを確認できる。

「同じ背中はひとつもない」 3Dフィジカルフィットシェル椅子
所内の先輩研究員からは、普段からオフィスエルゴノミクス(椅子、デスク・モニターの高さ、キーボード・マウスの位置、照明など)の大切さをレクチャーされています。椅子だけでも沢山のポイントがあるので、チェアマスターからの説明やアドバイスは具体的な改善方法の一つとして大変参考になりました。
会の後半では、3つの講演をお聴きしました。いずれの講演も興味深かったのですが、最も印象に残ったのは、常見先生が講演された「臨床現場における姿勢変化への取り組み」です。病院で働く医療従事者は一般に、立ち仕事が多く、MSDsを持つ方が多いことは容易に推察できます。ただ、一部の業務は座位で行うことも可能なため、MSDs予防・軽減の一例として、病院の内視鏡室と外来にスツールを設置されたとのことでした。しかし、内視鏡室や外来は「立ち仕事現場」「座り作業はいけないもの」といった認識があり、「気が引ける」、「周りの目が気になる」と受け入れられるのに苦労されているとも伺いました。私自身もコメディカルとして病院に勤務していたので、その認識や気持ちは理解できます。座位でも、作業効率や緊急時の対応スピードが変らないこと、もしくは、むしろ座位の方がMSDs予防・軽減などメリットが多いことを示すことがまず重要と感じました。また、その職場の先輩や上司、管理職の方々の理解と積極的な使用も、職場全体、ひいては医療現場での受け入れを促すのではないかと思いました。
人間工学系分野を勉強中で、今回初めての医療MSDs懇話会参加でしたが、すべての働く人に当てはまる内容、かつ実践的で学びの多い会でした。参加させていただきありがとうございました。
研究員
頓所つく実

