公益財団法人 大原記念労働科学研究所
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大原記念労働科学研究所
The Ohara Memorial Institute for
Science of Labour

中期戦略

大原記念労働科学研究所の中期研究戦略2015-2019の総括

2015年6月1日
公益財団法人 大原記念労働科学研究所

 

 大原記念労働科学研究所は、産業界が健全に発展し、人々が安全で健康な人間らしい働き方をするために調査と分析を行い、問題を解決する方法とツールを開発し、社会へ提供する事に努め、それらの成果に基づき安全・安心で豊かな労働生活創りへ貢献する事を目指し、2015年度から2019年度までの当研究所の戦略的な取り組みを社会へ公開している。

 中期研究戦略2015-2019の5項目についての取り組みの自己評価とそれに基づく今後の取り組みを示します。

 

「中期研究戦略2015 - 2019」の項目 評価と今後の取り組み
1.働く人たちを取り巻く環境の急激な変化と多様化に注目し、先を見越した問題の把握と課題解決法の提案を行います。特に、少子高齢化、発注・受注構造の複雑化、新しいICT機器導入に関わる労働科学上の評価と改善に取り組みます。 1.のテーマそれぞれに取り組めたが、深化が不十分な点もあった。AI活用の具体例について、2020年度以降に精力的に進める。
2.第2次産業に加えて、労働災害が増えている外食産業など第3次産業における安全及び健康上の課題を抽出し、職場の特性を考慮した従業員参加型の教育プログラムを開発します。また、産業現場への適用を積極的に行います。 従業員参加型の教育プログラム実施には一定の実績が得られた。第3次産業での実績が不十分であり、2020年度以降の目標とする。
3.現代労働者の疲労の特徴をとらえ、疲労カウンセリング法の開発と展開に取り組みます。 「シフトワークチャレンジ」として成果を上げられた。更なる洗練を目指す。
4.新しいユビキタス社会(Internet of Things, loT等)の労働負担を評価し、ICTを駆使して労働実態を「見える化」するツールを開発します。 ツールの開発に取り組み、試作・試用段階には達した。2020年度以降、完成を課題とする。
5.産学官民との相互連携を強化し、労働科学研究の更なるネットワーク化に努めます。安全と健康に関する社会人教育に加え、学生に対する労働科学教育の新しいあり方を探索します。 産業安全保健エキスパート養成コースとして社会人教育は達成できた。学生教育は、エキスパートとの共同事業により、限定的には実現できた。2020年度からは桜美林大学講義によって更に進める。

 

大原記念労働科学研究所の中期研究戦略2020-2024

2020年3月31日
公益財団法人 大原記念労働科学研究所

 

 私たちは、産業界が健全に発展し、人々が安全で健康な人間らしい働き方をするために調査と分析を行い、問題を解決する方法とツールを開発し、社会へ提供することに努めます。中期研究戦略2015-2019の成果を踏まえ、誰もが安全・安心で豊かに過ごせる労働生活創り(=働き方改革)へ貢献することを目指し、以下のような2020年度から2024年度までの当研究所の戦略的な取り組みを社会へ公開します。

 

1.働く人々・働く場の多様化に関する研究

 働く人々を取り巻く環境の急激な変化と多様化に注目し、労働安全衛生における課題の把握と課題解決法の提案を行います。特に、ダイバーシティに代表される、多様な背景を持つ人々が働く現場の課題と対策、IoTやAI等の新しい技術の導入・活用に関わる問題の評価と改善に取り組みます。

2.現代労働者の疲労と疲労管理に関する研究

 働く人々の疲労と睡眠の関係の現代的な特徴を捉え、適切な働き方の提案に取り組みます。

3.産業構造の変化に対する研究

 産業構造の変化と共に、新たに、従来とは異なるアプローチが必要とされるトピックや業種における労働安全衛生対策に取り組みます。例えば「複雑化する発注受注構造における問題と対策」、「事故や疾病を未然に防ぐ一次予防対策の具体的な進め方」をテーマとし組織や現場の環境改善プログラムの開発や展開を積極的に行います。

4.産業安全保健の新しい教育の実践

 安全と健康に関する社会人教育に加え、学生に対する労働科学・産業安全保健教育の新しい在り方を探索します。

これらの研究を進めるための基盤として、

  1. IoT、ICTなどの新技術を活用した現場の実態把握を進めます。
  2. 産学官民との相互連携を強化し、労働科学研究の更なるネットワーク化に努めます。
  3. 成果の蓄積と新たな価値化を目指します。
  4. 研究成果の普及(事業化)を意識した研究を進めます。

 

以上