公益財団法人 大原記念労働科学研究所
公益財団法人
大原記念労働科学研究所
The Ohara Memorial Institute for
Science of Labour

戦中・戦後から川崎移転まで(1953(昭和28)年~1970(昭和45)年)

1953(昭和28)年 8月 橋本龍伍(元厚生大臣)理事の尽力により法律第224号「財団法人労働科学研究所に対する国有財産の譲与に関する法律」公布。国へ没収の旧財産が労研に返る
労働省から労研の国立労働衛生研究所への移管について打診があったが,社会科学部門排除との条件のためこれを断る
労働科学叢書刊行はじまる
・久保田重孝・野村茂『職業性皮膚障害』[労働科学叢書1]
・労研編『適性検査ハンドブック』
1954(昭和29)年 森岡三生,労研式耳栓市販はじまる
11月 アイソトープ実験室できる
・藤本武『最低生活費の研究』[労働科学叢書2]
・三浦豊彦『生活の衛生学』[労働科学叢書3]
・斉藤一『労働時間・休憩・交代制』[労働科学叢書4]
・勝木新次『オフィスの疲労と健康』[労働科学叢書5]
1955(昭和30)年 三浦豊彦・木村菊二,労研?紙塵挨計市販はじまる
1956(昭和31)年 第1回アジア労働衛生学会を東京で開催(大会長・暉峻義等)
労研内にあった「労働省労働衛生保護具検定室」廃止
・労働科学集成第1巻『労働の生理的負担』
・三浦豊彦編『労働衛生保護具』[労働科学叢書6]
・大島正光,狩野広之『労働と年齢』[労働科学叢書8]
1957(昭和32)年 9月 所長に勝木新次就任
・本村富士郎『職務給のための職務評価』[労働科学叢書9]
・三浦豊彦,木村菊二『図解粉塵測定法』[労働科学叢書10]
・久保田重孝『有害作業とその管理』[労働科学叢書12]
・三浦豊彦『足とはきもの』[労働科学叢書13]
1958(昭和33)年 ・勤務時間等の労働科学的調査(日本電信電話公社)
1959(昭和34)年 3月 理事長に森戸辰男(元大原社会問題研究所所員,元文部大臣)就任
4月 大阪駐在員できる
・狩野広之『不注意物語―労働災害の事例研究集』[労働科学叢書11]
・高木和夫,沼尻幸吉『栄養管理要項』[労働科学叢書14]
・沼尻幸吉『労働の強さと適正作業量』[労働科学叢書7]
1960(昭和35)年 ・勝木新次監修『機械化事務作業の研究』[労働科学叢書15]
1961(昭和36)年 創立40周年記念募金によって図書館の移転改築,電子顕微鏡,赤外ガスクロ,Ⅹ線回折装置,人工気候室,低温恒温室などを設備した
10月12日 40周年記念式典を行う
創立40周年記念特集号(労働科学第37巻第10号)
・西部徹一『日本の船員―労働と生活』[労働科学叢書16]
1962(昭和37)年 3月 副所長に斉藤一就任
3月 暉峻義等ら,築地魚市場で漁船の水揚げ労働の調査実施
9月 所長に斉藤一就任
・狩野広之『精神薄弱者の職業適性』[労働科学叢書17]
・労研編『労働衛生ハンドブック』
1963(昭和38)年 4月 研究部制をとる。第1研究部(労働生理学第1第2,労働生化学第1第2研究室),第2研究部(労働衛生学第1第2,労働病理学第1第2研究室),第3研究部(労働心理学第1第2研究室),第4研究部(経済学,農業労働研究室),海上労働研究室
・斉藤一・三浦豊彦編『日本の高温労働』[労働科学叢書18]
1964(昭和39)年 5月 労研大阪事務所開設
7月 船員労働安全衛生規則制定
・作業環境における人間能力の経年変化に関する研究(科学技術庁)
・安全管理特別調査(1965年まで,林野庁)
・事務機械作業者の労働負担等に関する調査(林野庁)
・夏季における労働負担調査(非鉄金属製造業)
・勝木新次『労働科学読本』[労働科学叢書19]
1965(昭和40)年 4月 6研究部1室制をとる,労働生理学研究部(労働生理学第1,2,労働生化学研究室)労働衛生学研究部(労働衛生学第1,2研究室)労働病理学研究部(労働病理学第1,2研究室)労働心理学研究部(労働心理学第1,2研究室)経済学研究部(産業労働,農業労働研究室)海上労働研究部(海上労働,漁業労働研究室)労働栄養学研究室
・林業機械による振動障害に関する医学検査(人事院)
・会計機操作員に対する労働負担の実態に関する調査(自治体)
・さん孔タイプライターのキータッチに関する人間工学的実験(電気機器製造業)
・交代勤務制による労働負担の実態調査(硝子製造業)
・労研編『適性検査マニュアル』
・藤本武・下山房雄・井上和衛『日本の生活時間』[労働科学叢書20]
1966(昭和41)年 9月 海上労働科学研究所設立(所長西部徹一)労研から海上労働研究室消滅
・林業機械の振動の人体への影響ならびに騒音からの聴覚保護に関する調査(林野庁)
・電柱の昇降に伴う疲労と作業負担,ならびに装柱に関する人間工学的調査研究(電気供給業)
・流れ作業の精神疲労調査(電気機器製造業)
・藤本武『各国の労働安全対策』[労働科学叢書21]
1967(昭和42)年 ・航空管制官の労働負担に関する調査(航空振興財団)
・特殊作業手当のための環境条件調査(輸送用機器製造業)
・郵便車乗務における夏期労働負担調査(全逓信労働組合)
・暉峻義等博士追憶出版刊行会『暉峻義等博士と労働科学』
・桐原葆見監修『オフィスの作業と健康』[労働科学叢書22]
・多田治『有害物管理のための測定法(第Ⅰ部)無機編・上・下』[労働科学叢書23・24]
1968(昭和43)年 ・婦人労働者の家庭生活と労働負担との関係(雇用促進事業団)
・事務機械従事者の健康管理に関する指導調査(農林中央金庫)
・夏季高熱労働者の発汗量等調査(非鉄金属製造業)
・桐原葆見『疲労と精神衛生』(桐原葆見博士喜寿記念刊行会)
・狩野広之『精神薄弱者の職業適性』(生活科学協会)
・多田治『有害物管理のための測定法(第Ⅱ部)有機編』[労働科学叢書25]
1969(昭和44)年 2月 第106回理事会で現在使用する土地(所有地190坪と借地4645坪余)の売却による収入で新築移転の方針を決定
10月 第109回理事会で所有地と借地権を住友商事に売渡すことを決定(606,604,286円)
12月 川崎市菅生1544番地に2275坪の用地を買収
・コンピューター関連職種の婦人労働実態調査(雇用促進事業団)
・エポキシ樹脂の毒性に関する実験(電気機器製造業)
・新聞配達の労働負担調査(新聞業)
・労働科学集成第2巻『日本の生活水準』
・斉藤一編『婦人労働』[労働科学叢書26]
1970(昭和45)年 鹿島建設株式会社の手で新研究所の建設すすむ
新研究組織について検討すすむ
・振動機械操作時間および休憩・休息のとり方との関係に関する調査(林野庁)
・単調労働に関する研究(労働省)
・検びん作業における作業管理方式の設定に関する研究(飲料製造業)
・競馬騎手の生体負担実態調査(地方競馬全国協会)
・高木和男『給食管理のすべて』[労働科学叢書27]
・三浦豊彦『変貌する労働環境―有害環境変遷史』[労働科学叢書28]