人々が健康で安心して働ける労働環境を目指して96年…

総務勤務にまつわる余話 ~ ろうけん余話

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労働科学研究所に勤務して早くも2年になろうとしています。

研究所という職場での勤務は初めてということもあり当初は戸惑うこともありましたが、現在は滞りなく業務を進めています。

私の担当業務は研究事務と役員関連など研究所の運営に関わる事務及び総務全般です。

研究事務は科学研究費に関わる業務が中心で、主に厚生労働省や文部科学省への提出書類の作成や研究者からの伝票処理を担当しています。研究所の科学研究費の件数は年平均10~13件あり、年度末にもなりますと研究者から提出される書類の処理に追われる毎日が続きます。一方で、研究者は日々調査や研究、報告書の作成などが続き、特に年度末は限られた時間内で提出書類の作成を行うことを強いられています。

当研究所は「現場で働く人の視点」を中心に据えて研究を進めていることもあり、いわゆるフィールドワークが非常に多くなります。その結果、研究者は出張で週末に帰り翌週また出張へとハードなスケジュールが続くことも多々あります。そのため、どうしても出張伝票などの提出が遅れ気味になります。その対策として、研究者の負担が少しでも軽減されるよう所内処理マニュアルを作成するなどの工夫をして、研究者のみならず私自身の仕事もスムーズに進めることができるようになりました。

ところで、勤務開始から半年ほど経った頃、研究者の仕事を理解することも研究事務を進める上で重要だという幹部の方からの意向もあり、出張に同行する機会を頂きました。仕事内容は大型造船所の作業員を対象とした安全研修でしたが、実際に造船作業の現場の話を聞くのは初めてでしたので驚きの連続でした。造船現場 冬場の高所での作業や夏場の船内での溶接作業などが日常的にあるそうです。恐らく昔と比べれば労働環境は良くなっていることとは思いますが、その大変さは想像に難くありません。最近の研究所のテーマにAIやIoTを導入しての労働環境の改善という課題がありますが、研究者の皆さんには一日も早くこのような現場での安全と健康にとって有効なツールの開発をと願い、私は、皆さんが研究に邁進できるよう後方事務として陰ながら支えていきたいと感じました。

研究所内の仕事の話に戻ります。役員関連など研究所の運営に関わる事務は本年から担当しています。不慣れなため幹部の方々にサポートをして頂きながら年4回行われる理事会や評議員会、役員等の交代手続きなど、これまで遅滞なく進めています。総務業務は研究所の特別研究員・協力研究員等への事務連絡や外部からの講演依頼の受付や来客など、日々あらゆる業務が発生します。私は、これらの仕事を通して今までの仕事では経験できなかった幅広い業務を担当させて頂き、変化に富んだやり甲斐のある毎日を送っています。

最近、働き方改革などの政策が政府主導で語られていますが、当研究所の仕事は、前にも述べましたが「現場で働く人の視点」というコンセプトを掲げていることもあり、極めて働きやすい職場だと思います。その最大のポイントは自分の仕事を自ら計画的に進めていくことができる点にあります。もちろん、中には期限を迫られた仕事もありますが、年間を通してみた場合、この仕事の自律性の尊重が何よりも私にとっての働きやすさを生み出している源だと痛感しています。マスコミなどでは長時間労働や他律的な仕事からくるメンタルストレス問題などが盛んに採り上げられ、毎日その対策が取り沙汰されています。これらについて先程は私事として述べましたが、働く人の心身の健康とは、働く人の自律性を尊重し、それを第一に考えるという理念が何よりも大切な事柄ではないかと日々の仕事を通じて感じています。

lunch time 研究所の昼休みは所内の共通スペースで研究者と事務職員が共に過ごしています。この時間は仕事から離れ昼食をとりながら談笑し気分転換の時間となり、午後から再び新鮮な気持ちで業務に取り組むことができる大変貴重な時間となっています。

また、業務の中での疑問や不明点があった際は、皆さんいつでも丁寧かつ快く相談にのって下さり、大変有難いと感じています。

最後に一つだけ付け加えておきます。私は基本的に毎日お弁当を作って出勤していますが、朝忙しくお弁当が作れなかった日には途中で昼食を買って済ませようとします。すると、昼食時に「おや?今日はコンビニ弁当ですか?」などと予期せぬ質問を投げ掛けられることがあります。共働きの主婦にとっては仕事と家事の両立は大変なことなのです。夕飯の支度、そして翌朝には朝食の支度を済ませたかと思うと洗濯物干しやゴミまとめ等やらなければならないことが山積みです。通勤前の身だしなみ、お化粧を手抜きするのは避けたいことですが、ここだけの話、それもない訳ではありません。そこで思うのです、このような家事労働に密着した共働き主婦の抱える疲労感、繁忙感などを解消するための「労働科学研究」というものが果たしてあるのかしら・・・と。

(総務部 恋塚 由紀江)