大原ネットワーク
最終更新 10/05/04
大正から昭和にかけての偉大な経営者大原孫三郎は、手塩にかけたクラボウ、クラレの経営だけでなく、農業研究所、社会問題研究所、労働科学研究所、病院、美術館など、次々と個性豊かな機関を創設し支援しました。およそ90年の月日をへて、これらの機関はすべて現役の活動をつづけています。情報共有と相互の活動支援を目的に、2008年に「大原ネットワーク」を立ち上げました。
記事・ニュース
10/04/05 大原ネットワークの一つの岡山大学資源生物科学研究所(倉敷市中央2丁目)が2010年4月1日「資源植物科学研究所」に改称され、文 部科学相が認定する全国の研究者の「共同利用・共同研究 拠点」になりました。【新聞記事】岡山大に新研究所 国内外の研究者と連携(Asahi.com)
09/10/27 【新聞記事】大 原孫三郎の功績振り返る 東京・大原社会問題研でフォーラム(山陽新聞)
09/11/02 【追加情報】2009年11月3日大原社会問題研究所創立90周年記念シンポジウム「大 原孫三郎がミュージアム、図書館、そして大阪にのこしたもの」(大阪歴史博物館主催)
大原社会問題研究所創立90周年記念フォーラム(09/10/27)の報告
労働科学研究所のルーツ・大原社会問題研究所の90周年記念フォーラムが2009年10月27日に東京都町田市の法政大学多摩キャンパスで開催されました。約100名の参加者を迎え、大原社会問題研究所の重要性と大原ネットワークを確かめる素晴らしいフォーラムでした。大原社会問題研究所の創立は1919年。労働科学研究所は同所の労働衛生部門を独立させ「倉敷労働科学研究所」として1921年にスタートしています。
フォーラムは2部構成で、第1部は大原社会問題研究所研究員による「大原社会問題研究所の意義と射程」、第2部は大原ネットワークの代表者による「大原孫三郎の人と業績」でした。
第1部では、法政大学名誉教授・高橋彦博氏により戦前に労使協調を唱えた半官半民の機関「協調会」の旧蔵書が大原社会問題研究所に収蔵されていることが紹介され、協調会と大原社会問題研究所の果たした役割について解説がなされました。続いて法政大学名誉教授・二村一夫氏が、創立の経緯および理念について、創立者・大原孫三郎の人となりを交えて講話。「救貧よりも防貧を」――岡山孤児院の事業に失敗した孫三郎は心血をそそいで大原社会問題研究所を作ったと述べました。1部の最後はハーバード大学教授・アンドルー・ゴードン氏が自身の研究活動を振り返り、大原社会問題研究所の資料を高く評価。最近の海外の研究者による日本の社会問題研究にも寄与している事例を紹介しました。
第2部は、孫三郎の孫にあたる大原美術館理事長・大原謙一郎氏が「大原孫三郎の社会・文化・福祉への貢献」と題して孫三郎の業績を振り返りました。業績を語るうえでキーパーソンとなる画家の児島虎次郎と社会事業家の石井十次との交流に言及しながら、大原美術館と倉敷の諸施設を映像で紹介。そのうえで、文化と福祉は人に豊かさを与え、人生の質にプラスになると話しました。また、文化と文化の間は誤解が生じることが多く、そのため美術館は「多文化理解の装置」であり、「文化というものは万能ではないが、無力ではない」とも述べています。経営者としての孫三郎は、創造的(クリエイティブ)で革新的(イノベイティブ)であったといい、同時に“やんちゃな経営者”であったと表現しています。そして、創造的・革新的な姿勢は、現在の大原ネットワークの諸機関にも受け継がれているといいます。
2部に引き続き、大原ネットワーク機関である岡山大学付属資源生物科学研究所副所長・山本洋子氏、労働科学研究所所長・酒井一博、大原美術館学芸課長・柳沢秀行氏、倉敷中央病院常務理事・相田俊夫氏より挨拶があり、次いで、高橋彦博氏、二村一夫氏、アンドリュー・ゴードン氏、大原謙一郎氏をパネリストに迎え、活発なパネルディスカッションが行われました。
来年(2010年)は大原美術館が80周年、再来年(2011年)は労働科学研究所が90周年を迎えます。
大原社会問題研究所創立90周年記念フォーラム(09/10/27)の案内
大原社会問題研究所創立90周年フォーラムポスター(PDF:313K)
「大原ネットワーク(※)」の参加機関の大原社会問題研究所(大原社研)は1919年2月19日の創立以来、90周年の記念の年を迎えることになりました(右写真は当時の大原社研)。- 大原社会問題研究所では、2009年に迎える90周年を機に、大原社会問題研究所の90年を振り返り、研究所の存在と活動を再確認する機会として「大原社会問題研究所創立90周年フォーラム」を開催する予定です。財団法人労働科学研究所も大原ネットワークの一機関として、本フォーラムを後援します。
- ※大原ネットワークとは:大原孫三郎が20世紀初頭に設立した様々な研究所や機関、組織が今に息づいて残っていることから、それらの研究所や機関が互いの情報交換をして、社会発信をおこなっていく緩やかなネットワークです。2009年に創設90周年を迎える法政大学大原社会問題研究所が、記念事業の一環として他施設に呼び掛け、2008年7月25日都内で大原ネットワークシンポジウムが開催されました。このシンポジウムを皮切りにスタートした本ネットワークは、今後、互いが持つ大原孫三郎に関する情報を共有し、全体像を明らかにすることで孫三郎の功績を再確認するとともに、後世に伝えるのが目的としています。
参考記事 孫三郎の功績後世に 「大原ネット」発足 (山陽新聞2008年7月26日)
代表的な機関はこちらを参照→時を超え、今に息づく大原孫三郎の志(クラボウHP)
大原社会問題研究所創立90周年フォーラム概要
主催:法政大学大原社会問題研究所日時:2009年10月27日(火)10:00-17:00
場所:法政大学多摩キャンパス100周年記念館国際会議場
交通アクセス(多摩キャンパス)
(キャンパスマップ(多摩)百周年記念館は番号13)
プログラム
10:00-12:30 第一部「大原社会問題研究所の意義と射程」
「日本近現代史研究と大原社会問題研究所」
アンドルー・ゴードン(ハーバード大学教授)
「大原社会問題研究所の創立をめぐって」
二村一夫(法政大学名誉教授)
「戦前の社会研究センターと大原社会問題研究所」
高橋彦博(法政大学名誉教授)
※肖像画クリックで高野岩三郎(Wikipedia)へリンク
12:30-14:00 昼食 (大原社会問題研究所見学ツアー)
14:00-15:20 第二部「大原孫三郎の人と業績」
「大原孫三郎の社会・文化・福祉への貢献」
大原謙一郎大原美術館理事長
※肖像画クリックで大原孫三郎(Wikipedia)へリンク
大原ネットワーク各機関よりの挨拶
岡山大学資源生物科学研究所
財団法人労働科学研究所
大原美術館
財団法人倉敷中央病院
15:20-15:40 休憩
15:40-17:00 パネルディスカッション
17:20-19:30 創立90周年記念祝賀会(100周年記念館レセプションホール)
関連ウエブ
- 法政大学大原社会問題研究所(OISR.ORG 総合案内)
- 大原社会問題研究所を創った人びと(二村一夫著作集HP)
- 孫三郎の功績後世に 「大原ネット」発足 (山陽新聞2008年7月26日記事)
- 時を超え、今に息づく大原孫三郎の志(クラボウHP)
ここまで
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