人々が健康で安心して働ける労働環境を目指して96年…

2018年度から始まる第13次労働災害防止計画と労研のテーマ ― 虫・鳥・労働科学の目

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「働き方改革」という言葉が、時代のキーワードとなって多くの場面で叫ばれています。働き方改革が登場した背景には、労働力人口の急激な減少や長時間労働の増加にともなう健康障害等々、多岐にわたり我が国が克服しなければならないことがあります。多様な生き方や働き方を、働く人々が自ら選択可能とする社会にしたいものです。企業が働き方改革に取組む事例として、ある自動車製造会社では、在宅勤務制度の新設、年次有給休暇取得の促進、仕事と育児の両立支援、障がい者雇用の拡充等々を挙げています。ICT活用等によるテレワークや在宅勤務の導入により、社員の柔軟な働き方や私生活の充実支援を図っている企業も多くあります。

一方、労働者が業務上または通勤途上で負傷し、疾病にかかり、又は死亡する労働災害の発生件数は、このところ高止まりが続いています。高度経済成長期の1960年代は、労働災害による死亡者は6,000人を超していました。わが国では、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた「労働災害防止計画」を、1958年度から5年ごとに公表しています。労働安全衛生法に基づき、労働政策審議会では2018年2月20日に2018年度を初年度とする5年間を対象とした第13次労働災害防止計画を厚生労働大臣に対し答申しました。

第13次労働災害防止計画では、公益財団法人大原記念労働科学研究所で取組まれている多くの課題が、実施すべき重点事項として挙げられています。例えば、過労死等の防止や過重労働対策、高年齢労働者や障がい者雇用に対応した対策、化学物質等による健康障害防止対策、安全衛生の専門人材育成、大学等と連携した安全衛生教育の実施等は、現在、当研究所の研究テーマとして行われています。とくに、大学と連携して社会に出て必須となる大学生に対して安全衛生教育を実施することは、当所と研究交流会を協同で実施している桜美林大学という格好の連携対象があります。今後の発展に期待して頂ければ幸いです。

(2018年3月 理事、主管研究員 斉藤進)