財団法人労働科学研究所ホームページ情報サービスセンター・出版「安全バカ」奮戦記〜企業内安全衛生管理者の活動記録〜
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 <ISL Paperbacks 5> 
「安全バカ」奮戦記〜企業内安全衛生管理者の活動記録〜   中川伸一 著
 
                                 新書判・182頁/850(本体810)円

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現在は安心と安全が求められている
 2005年6月末、テレビのニュースで、株主総会を無事に終えた社長さんが「これからの経営は“安心と安全”をキーワードとする経営」と語っているのを見ました。逆に現在は“不安で危険”な社会になっていることだと言えましょう。

 世相の動き
 ここで、最近マスコミを賑わした安全や衛生(健康)に関わるニュースを振り返ってみますと、安全面では自動回転ドアによる死亡事件、綿々と続く三菱自動車のリコール、そしていま旬な問題はJR西日本の鉄道事故や日本航空の多発する事故やトラブル。また、患者誤認など医療事故も相次いでいます。
 衛生(健康)面からは、少し旧聞のカイワレ大根の出荷停止で裁判の引き金となったO157(腸管出血性大腸菌)による食中毒事件、エイズの薬害事件、BSE(ウシ海綿状脳症)事件、雪印乳業の食中毒事件、そして、最近マスコミに急浮上した潜伏期間が長く自己認識が薄いアスベスト災害などが思い起こされます。
 とにかく、これら安全と衛生の面に限定しても、これでもかこれでもかと次から次へと問題が出てきます。さらに、この本では取り上げませんが、不安要因として年金の問題、雇用不安、イラク動向や国際テロ問題、北朝鮮拉致問題あるいは中国で発生したSARS(新型肺炎)や鶏の大量死をもたらした高病原性鳥インフルエンザなど、国民を不安に追いやる社会現象が間断なく生じています。

 でもか、それゆえか進歩している対策
 しかし、2004年末の中越地震では対向車がなかったという幸運に恵まれましたが、大型システムである新幹線が大惨事には至らなかったのは、安全管理システムの成果でしょう。地震対策も、関東大震災の教訓による“まず火を消しましょう”という対策から、1995年の阪神・淡路大震災では“倒壊対策”に重点が移りました。
 今回の中越地震での教訓は何でしょうか? この地震の特徴は長期な余震、台風との合併症的な災害、被災地の孤立化などが挙げられます。この不幸な結果も今後の活動に生かし、後世には進歩と評価されるようにしたいものです。
 同様に労働災害も確実に減少しており、これも関係者の努力と合わせて企業内での地道な活動成果によります。

 激励メッセージを!
 地球環境問題に注目が集まり始めたときに、環境に関わる産業を“静脈産業”とマスコミは命名しました。それにならいますと、安全衛生管理担当は企業内では静脈部門です。逆に言えば花形部門ではなく、それゆえにその活動はあまり知られておりません。
 そこで私の体験を中心に、少しでも理解者が増え、協力者が増えて安全衛生管理活動への“抵抗”“壁”の敷居を低くしようとして、本書を著しました。本書のタイトルには、そんな意気込みを込めました。なお事例については基本的な内容を保持しつつ、脚色してあります。
 そして、本書をお読みくださる方の多くは、私が直面したのと同様な問題を抱えながらお仕事をされていると思いますが、その悩み時の激励メッセージになれば幸いだと思います。また、一般の方が読まれることも考慮し、この本の基本となる労働安全衛生法については、本文中の編や章の初めに関係ある条文を挿入したり、概要を示しました。これにより多くの方が労働安全衛生法への関心をもたれ、さらなる研究へ進まれる契機つくりとなるならば望外の幸せです。
                                    〜「はじめに」より〜
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< 目 次 >

第I編 基礎編
第1章 プロローグ〜悲惨な災害〜
 (1.夫を待つ 2.うつつか、幻か? 3.慣れた道 4.悲報 5.立ち入り調査)
第2章 労働者の安全を守る労働安全衛生法とは? (1.労働基準法と就業規則 2.労働安全衛生法)
第3章 戦後の労働災害概観 (1.終戦直後は大災害時代 2.高度成長時代の幕開けと労働安全衛生法の誕生 3.経済成長がもたらす不安全と不健康 4.情報化の進展により増幅された不安全と不健康 5.今後の安全衛生管理の行方)

第II編 体験編
第4章 安全衛生担当となる!
第5章 高度成長時代の社内事情
 (1.災害発生状況とその内容 2.当初の社内体制 3.異動 4.友人の反応 5.安全衛生業務の周囲評価 6.トップの姿勢@ 7.トップの姿勢A 円滑化のためには、トップを引きずり込もう! 8.異動後の張り切り、ハイストレス)
第6章 無手勝流のスキルアップ〜講習・研修・資格取得〜 (1.社内RST講習を受講して 2.衛生管理者受験 3.安全管理者コース(前期・後期) 4.資格取得 5.効果的な展開手順 6.ネットワークの形成)

第III編 安全衛生管理体制の整備
第7章 委員会機能の復活と活性化 (1.改善への取り組み 2.職場安全衛生委員会の活性化)
第8章 設備審査会の立ち上げ(セーフティー・アセスメント)
 (1.法令と監督署の対応 2.安全委員会での分科会 3.所内での審査研修 4.能力向上と審査員の後継者養成 5.内容の改定 6.関連会社への展開 7.定着への苦労 8.審査会の月例化 9.発注の可否を握る位置づけ 10.成果 11.化学物質の安全事前審査について)
第9章 安全衛生教育制度の確立〜職長教育と危険予知訓練の導入と定着〜 (1.導入から定着まで 2.運営とカリキュラム 3.本格的なKYT講習の展開 4.安全教育体系 5.講習効果)


第IV編 労働衛生管理への取り組み
第10章 労働衛生活動の概要 (1.衛生管理の特性 2.当初の戸惑い)
第11章 衛生委員会の活性化 
(1.分科会活動 2.THP研修に課長職を派遣 3.健康保持増進委員会の設置)
第12章 ストレスマネジメントについて
第13章 健康教育
第14章 分煙活動の展開
 (1.製造所内はなぜ禁煙化か? 2.取り組みの沿革 3.職場への説得 4.ハード対策 5.行政の動きと今後 6.総じて……全員のコンセンサスが欠かせない!)
第15章 火災事例 (1.部品工場での火災 2.放電加工機での火災と自動消火 3.職場での保管量削減への取り組み
第16章 火災事故を省みて (1.管理体制の整備充実 2.ハード対策 3.ソフト対策は意識改革である!)

第V編 安全バカへの壁を破る法
第17章 安全衛生管理に対する誤解と無関心〜それを乗り越えるために〜
 (1.どんな誤解があるか? 2.効果的対策はなにか?)
第18章 マスコミ報道の事故を常に学習教材として生かせ

本書を推薦します(シチズン時計株式会社代表取締役 梅原誠)
現場の安全衛生を担うプライド(労働科学研究所常務理事・研究主幹 酒井一博)

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