財団法人労働科学研究所ホームページ出版労働科学第77巻
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77巻

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77巻1号抄録

The Potential for Job Creation in Times of Employment Crisis : Results of a Case Study.

 日本の雇用情勢改善のため, 政府による雇用創出政策とは別に, 「下からの」 雇用創出の運動が登場してきている。 その一つである 「霞ヶ浦粗朶組合」 は, 霞ヶ浦の環境悪化の防止, 自然環境の再生のための, 湖岸の消波施設としての 「粗朶沈床」 の材料となる粗朶の生産を事業内容とする, 地元の中小企業経営者等によって構成される協同組合である。 霞ヶ浦周辺の森林保全と結合して行われる粗朶生産はきわめて労働集約的であるため, 相当数の新規雇用が創出される可能性があり, また, 既に一定数の失業者に雇用の場を提供してきた。 この事例を通じて, 環境保全の分野において協同組合方式の自主的な運動が雇用創出の大きな可能性をもつことが示された。 (自抄)

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77巻2号抄録

 今般新しく開発,実用化された視覚障害者用道路横断帯の有効性に関して評価実験を行った。道路横断帯とは路面 標示技術を応用して横断歩道の中央部に30cm幅で敷かれた突起体の帯である。視覚障害者の道路横断では,横断中に信頼性の高い方向に関する手がかりの少ないことが問題としてこれまで指摘されてきた。2名の歩行訓練士と2名の全盲の障害者に,横断帯の敷設された横断歩道と敷設されていない横断歩道を実際に歩行してもらい,歩行軌跡や横断時間,印象などを測定した。その結果 ,横断帯の利用には慣れが必要なものの,慣れると極めて有効な支援設備になる可能性のあることが示唆された。(図8・表4) (自抄)

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77巻3号抄録

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77巻4号抄録

中小企業における職場環境改善のあり方を検討するために,ダイカスト製造業における現場実態調査と質問紙調査を実施した。 実態調査からは,高温職場の気流不足,高い騒音レベル,ばらつきの多い照明条件,運搬やワークステーションで改善を要する人間工学条件が知られた。 職場環境 14 項目についての 5 段階評定と改善必要度および改善経験を聞く質問紙調査により,暑熱,騒音,粉じん・ミストと衛生福利施設について特に改善の必要があること,職場環境の快適化と人間工学改善を含めて取り組む必要のあることが明らかになった。 安全確保,負担軽減,快適形成について多領域改善を取り上げていくことが今後の重要な課題である。 (図 9・表 1) (自抄)

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77巻5号抄録

 タイの多国籍企業4社で,(1)コミュニケーション,(2)安全保健実践体制,(3)作業編成と福利厚生,(4)安全保健上の課題(有害作業環境や人間工学的側面など),(5)タイ国内からのサポート,(6)本社からのサポート,(7)国際標準化とマネジメントシステムへの対応,の7項目に着目しタイ人安全保健担当者から聞き取り調査を行った。各社とも,安全保健実践体制や有害作業環境管理において進んだアプローチが見られる一方で,異文化コミュニケーション,現地スタッフのキャリア形成,作業編成・人間工学に改善課題が多く,多国籍企業の特色として着目された。4企業が安全保健の進め方について複数の異なったアプローチを取っており,これらをその特徴から仮に,「日本発グローバル型」,「リスクケア・トップダウン型」,「日本・タイ型」,「独自・分権ネットワーク型」と分類した。(表 2) (自抄)

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77巻6号抄録

 本研究では、CFSI(蓄積的疲労徴候インデックス)における平均訴え率の度合いを見る主パターン判定、各特性項目の相対的な突出・歪みの状況を見る副パターン判定において、それらの判定の客観性を高めるような指標を提案する。
 具体的には、最近の越河、藤井による判定結果を基に、各特性項目における平均訴え率を、レーダーチャート上の「基準平均訴え率、基準70%ile値で仕切られた領域」に分けて扱ったり、基準平均訴え率、基準70%ile値、またはそれらの値の差で標準化して利用することにより、主パターン、副パターンを客観的に判定できる指標を導き出した。その指標を実際の判定結果に適用すると9割以上の一致が得られた。(自抄)

 学習者が、自ら考え、主体的に問題解決し行動することを促すことを狙いとした、教育プログラムの開発とその実践結果について報告する。本プログラムは、問題解決をテーマとして、その概念規定、事例分析、一般課題、全体討論からなる。特に、事例分析を中核とし、その分析過程を通じて発生する様々な問題点を、集団討議や認知カウンセリングなどを用いて解決を促すことに特徴がある。その教育効果としては、学習者が主体的に問題を捉えるという点においては、不十分な点もあったが、そこに至る前段階としての、表現力・想像力・柔軟な思考などの諸能力は向上するという結果が得られた。(自抄)

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77巻7号抄録

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77巻8号抄録

Mask-tester for Examining the Efficiency of a Dust Respirator (Report 2).

 新しい防じんマスクの性能は,すぐれていても使用することにより,その性能は変化する。 捕集効率及び吸気抵抗を簡単に測定することが可能なマスクテスターを考案した。 マスクテスターの概要は次のようである。 試験に用いる粒子には,室内空気中の粒径 3μm から 0.5μm の粒子を使用し,粒子の測定にはパーティクルカウンターを使用した。 防じんマスクをマスクテスターに固定する台には,薄いゴム板を貼り付け,それを膨らますことによって防じんマスクが固定台に密着する方法を考案した。 このマスクテスターを用いて,石材加工,鉄鋼,造船などの工場において着用している防じんマスクの試験を行った結果を述べた。 (図 10・表 4) (自抄)

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77巻9号抄録

Nursing Techniques for Assisting the Elderly in Sitting Up ―Observation of movement patterns and comparison between two nursing methods―

 高齢者に有効な起き上がり動作の支援技術を明らかにするために, 健常高齢者 35 名と看護者 12 名を対象に検討した。 第1に, 高齢者が普段行っている起き上がり動作を観察し, 第2に,2つの起き上がり動作の支援方法について, 高齢者の主観評価, 看護者の生体負荷と主観評価を比較した。 高齢者の起き上がり動作の観察では, 体幹を回旋させ上肢で体幹の動きを補助する動作パターンが多くみられた。2つの支援方法の比較において, 高齢者の主観評価では,2方法間に大きな差はみられなかった。 看護者の生体負荷と主観評価では, 患者の体幹を回旋させて起こす方法は生体負荷が少なく, 主観的な評価も高いことが明らかになった。 (図 9・表 6) (自抄)

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77巻10号抄録

A Process Analysis of the Nuclear Criticality Accident at JOC Co. Uranium Processing Plant Using a Hypothetical Organizational Accident Model

 菅沼ら (2000) の仮説的組織事故モデルに対する妥当性検証の一つの試みとして,JCO 臨界事故のプロセス分析を行った。 その結果,1) 組織のリスク情報処理機能は組織要因の影響を受けて低下すること,2) そのことにより,6 ステップにわたるリスク情報処理のいずれかの段階においてリスクが組織内に潜伏すること,3) 組織内に潜伏したリスクは強化されること,以上 3 側面が見出され,モデルの妥当性が部分的に確認された。 さらに,本分析を通して,当該モデルでは説明できない組織事故プロセスの諸要素が見出された。 これら諸要素は,リスクの発生プロセスとリスクの潜伏・強化プロセスとを明確に区別することの必要性を示唆するものであった。 (図 2) (自抄)

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77巻11号抄録

Application of mathematical models Predicting the Exposure Levels of Vapor and Gas of Chemicals Used at the Workplace ―For exposure assessment and chemical health risk management ―

 作業場の化学物質健康リスクマネジメントの際に重要な曝露アセスメントに用いられることになる曝露濃度推定数理モデルの現状についてまとめた。 個別に検討されてきた様々な数理モデルは 1980 年代後半から整理され初めている。 数理モデルの論文をレビューし, 発生と分散の 2 つで区分し, それぞれ, 6 例, 5 例に整理した。 実際に作業現場で曝露を推定する際に必要な 2 種のモデルの組み合わせ例と計算例も紹介した。 今後, 各モデルは, 成立要件や変数に不確実性があるなどの課題があるが, 作業現場での事前の曝露推定には欠かせない存在になると考えられる。 不確実性を組み込んだ確率論的な数理モデルの検討が今後の研究の方向とみられる。 (図 13・表 3)(自抄)

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77巻12号抄録

Ventilation Efficiency of a Push-pull Type
 Ventilation System in Enclosures with Defined Contaminated and Respiratory Zones

 作業現場においては,汚染空気の発散域が室の一定の範囲内にあり,また,作業者の呼吸域も同様に別の範囲内に限定されるような場合が多い。
 このような場合,ここに一様流換気を適用したときの換気効率はどのように考えたらよいであろうか。
 筆者らは密閉式プッシュプル型換気装置を例にとり,以上のようなケースについて換気効率を調べた。 換気効率としては,筆者らが提案してきた K 値を用いた。これは室内気流の流線から算出されるものである。
 この結果,換気を効率的に行うための設計条件を得ることができた。(図 8) (自抄)

A Tactile Forewarning Sign for Informing Visually Impaired Independent Pedestrians of the Position and Direction of a Tactile Guiding Line Serving as an Aid to Street Crossing

 視覚障害者の単独での道路横断を支援するために横断帯が開発され,実用に供されている。これまでの評価研究から,横断帯は横断支援設備として高い可能性を有しているが,さらなる利便性の向上のためには横断歩道口においてその位置と方向に関する手がかりを用意する必要のあることが示された。そこで本研究ではその手がかりに関して実験的に検討した。すなわち,横断帯と同じ突起列を利用して,「1 列」,「2 列」, および「3 列」 の3 つの触覚的サインを作成し,それらの有効性を実験により調べた。被験者のパフォーマンスや主観的評価から,「2 列」 の有効性が高いことが示唆された。(図 5・表 2) (自抄)

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