財団法人労働科学研究所ホームページ出版労働の科学60巻8号
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60巻(2005年)
8号目次

表紙南の海より〜貝三種
スナヤマエミコ

特集:夏だ! 休もう

<俯瞰(ふかん)>休養と,睡眠と,テレビ 田中慶司
丁野 朗:余暇の意味変化とニューレジャー
鈴木敏哉:ゆとりある暮らしと北海道の活性化をめざして
  〜サマータイム――札幌商工会議所の試み〜
井上和衛:グリーン・ツーリズム 〜これからの新しい余暇の提案〜
高橋克宣:新しい休暇の形の提案“エコツーリズム”
早川光毅:東京ガスのボランティア活動援助制度
編集部:スローな働き方のヒント

<産業医学いまむかし(31)>野村 茂:東海地方の産業医たち
<労働科学と私(8)>清水善男:日常業務の行動規範として
<慢性疲労研究に挑む 〜脳科学研究の新展開を迎えて〜(3) >
  鷲谷 徹 :長時間労働の社会経済的背景の探求
< 労働の科学 Q&A> 小山博已:デジタル粉じん計の光源について
<From Lab(8) >
   職場環境リスク研究グループ:職場の環境にメスを入れます
<知りたい てくのロジー(5)>
   増田忠英:現実のモノとバーチャルな情報をつなぐ 超小型ICチップが  切り拓くユビキタス社会
<ノクトビジョン>深沢伸幸:脳波の変動と反復作業時のヒューマンエラー
<海外だより>施 桂栄:中国企業を対象とした日中共同研究プロジェクトの開発
<労働衛生コンサルタント事務所の窓辺(21)>木田哲二:第78回日本産業衛生学会<1>

<巻頭コラム・二十一世紀は「心」の世紀(8)> 林雄二郎:エネルギーとエントロピー
<cinema>百瀬しのぶ:人生って悪くないよね,と思わせてくれる戦時下のラブストーリー--『ライフ・イズ・ミラクル』
<information and news>
  労働科学研究所実務セミナー 人事・総務担当者のためのメンタルヘルス対策
  作業環境測定士登録講習会のお知らせ
  ワークサイエンスニュース
<Letter to the Editor>
石母田あゆ子 秘められたオホーツク開拓史 〜タコ部屋労働の跡を訪ねて〜<上>
<books>村田 克:環境再生と日本経済 ―市民・企業・自治体の挑戦―


<俯瞰(ふかん)>休養と,睡眠と,テレビ

 休養のしかたというのは,人それぞれであろう。体を動かすか,休めるか。にぎやかにするか,静かでいるか。神経を集中するか,リラックスするか。選択の幅は広い。
 健康づくり,生活習慣の改善というのは,食生活,運動から,喫煙,飲酒に及び,よけいなお世話と,白い目で見られがちである。いわんや,休養ぐらいは,好きにさせてくれと言われそうだ。
 その中で,睡眠だけは,文句のない休養方法と言えよう。長短は人によるかもしれないが,熟睡できることは,誰もが求めている。生理的な必要量も大切であろうが,睡眠の質については,多くの人が求める課題で,健康上大きなニーズのある分野である。これには,いつ睡眠するかという時間の配分も大きな影響を与える。
 NHKが長期にわたり調査している,『日本人の生活時間』を見てみると,睡眠時間は年の間に,分も減少している。しかも,その内容は,朝6時頃に起きているものが,6割から4割に,夜時頃寝ているものは6割から2割になっている。
 明治時代に,電灯が普及することにより,生活時間が大きく変わったことは間違いない。しかし,健康上の問題はなかったようにみえる。あるいは,何とか順応しただけで,無理をしているのかもしれない。今回の生活時間の変化は,健康への影響はないのであろうか。最低限言えることは,睡眠の質,熟睡の問題には影響しているはずだ。
 さて,今回の生活パターンを変えた要因は,テレビであり,平均すると,平日でも3.5時間も見ているという調査結果である。子守として,テレビをつけ放しにしている母親もいるという。お年寄りになると5時間も見ている。しかし,この問題と取り組むのは勇気がいる。小生,子供が小さいとき,家にテレビを置かなかった。しょせん親の自己満足を満たしていただけで,子供たちは,友達の家に行って見たりして,何とか話題には追いついていたようだ。お年寄りからテレビを取り上げたら,今度は話し相手の確保に四苦八苦しそうだ。
 テレビは,健康作りの情報提供や,あるいは動機づけのために有効なことは疑いないが,テレビ視聴時間の長期化をどうとらえるか,難問である。テレビは生活の一部になっている。そもそもテレビを見るのは,これは休養の一部と考えるべきか。
(たなか・けいじ=厚生労働省健康局・局長)



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