「労働の科学」64巻9号
64巻(2009年)
9号目次
特集:企業と地域の防災力
俯瞰(ふかん)
青山佳世[フリーアナウンサー]:地域の安全に貢献~頼られる企業へ~
世一乃里子[東京海上日動リスクコンサルティング]:地域防災における企業の役割
長田芳成[関西電力(株)]:地域のために電力を守る~阪神淡路大震災を教訓に~
萬來雄一[東京ガス(株)]:東京ガスの地震防災対策
伊藤一生[マツダ(株)]:マツダの災害対策と地域との連携
社会の目
岸 玲子:働く人びとの深刻な現状を打開するために根本的な制度見直し(ブレイクスルー)を
職場で色を考える(2)
真家和生:色覚変異のメカニズムと名称
ILOこぼれ話(29)
川上 剛:南太平洋のフィジーから~廃棄物収集作業改善とグリーンジョブ~
産業保健スタッフの現場から(6)
相州おやじ:産業医の必要要件 ~イキガカリ上,抜けれなくなってしまった産業医のぼやき~
Nature & Humans(5)
菅由美子:自然からの癒しと叡智――沖縄〈下〉
産業医徒然語り(9)
ツァンイェイ:産業医学 現場実習って大変かも
オランダだより(6)
長須美和子:オランダの風車
知りたい てくのロジー(54)
増田忠英:電気自動車普及の鍵を握る次世代二次電池~「金属空気電池」と「全固体電池」~
Talk to Talk
肝付邦憲:8月15日
企業に生かすスポーツ心理学(18)
水野基樹:絆の強いチームを作るためのチームビルディング
産業安全保健エキスパート養成コースNEWS
産業安全保健エキスパート養成コース~第7期受講者の声〈2〉~
大原コレクション散策
『波』モーリス・ドニ・作/柳沢秀行・解説
Cinema
百瀬しのぶ:大切な人に「ちゃんと伝え」なくてはいけないことはなんですか?――『ちゃんと伝える』
からだいい“いいからかん”料理(42)
長須美和子・小田島玉惠:イタリア出身・Marco(マルコ)の チェリートマトの冷製パスタ!
労働科学のページ
分散染色法における浸液の温度とクリソタイルの分散色に関する研究(飯田裕貴子ほか)/有害物質アクリロニトリル輸送ルートのリスクアセスメント(Chalermchai Chaikittipornほか)/手指の運動および菓子の重量・形状の分析に基づいた京菓子の包餡技術と技能の評価(大西明宏ほか)/解剖実習におけるホルムアルデヒド曝露防護のための労働衛生保護具(防毒マスクと保護めがね)着用の有効性の検討(岩澤聡子ほか)
Books
落合信寿:カラーユニバーサルデザイン
俯瞰(ふかん):地域の安全に貢献―頼られる企業へ 青山 佳世
9月1日防災の日にに生まれた数日後,大きな台風が来て、親は生まれたばかりの私を抱いてテーブルの下で身を守った(わが家は古い木造家屋でした)という話を繰り返し聞かされて育ちました。
チェコに旅行に行ったときには、モルダブ川の洪水に遭遇。警戒警報鳴り響く中、地元商店街の人たちは玄関に土嚢を積んでいち早く非難しましたが、言葉のわからない私たち観光客は取り残され物見遊山で洪水の様子を眺めることになりました。観光立国をめざす日本としては、外国から訪れている人たちの避難誘導もきちんとしないといけないと学んだ一コマでした。
私は「防災の申し子」なのだと勝手に思い込み(!?)防災をテーマに取材をするようになりました。いざというときのために、自分のまちを歩きながら消火器の場所や、避難場所を確認する“防災まち歩き“。
「へえ~こんなところに消火器があったんだ」
毎日歩いている道でも意識しないと目に入らないものがたくさんあることに驚きです。いつも完璧に防災を意識して生活することなどとてもできませんが、いざというときに頭の片隅に浮かべて行動できるようにしておきたいものです。
これまでの災害の教訓から、会社の特性を活かして災害復旧に使う建設機械を提供したり、自分の会社の商品である食糧や水などを被災地へ提供したり、昼間に災害にあって帰宅できない人たちのための支援をする協定を自治体と結ぶ企業も増えています。もちろん企業活動そのものが揺るがないようにすることが第一ですが、さらにできることで地域や私たち市民のために力になってくれることは頼もしい限りです。
いざというときだけでなく、普段からできることもあります。
地域の自治会や消防団はどこにどんな方が住んでいるかもよく知っている一番身近な存在として地域の安全に貢献してくれますが、都市部では隣近所の付き合いが薄くなったり、地元の商店が少なくなったりで参加する若者が少なくなっています。そんななか企業に勤める人が職場のある町の消防団員として参加するケースが増えています。参加する本人が働いている地域の役に立ちたいという熱意に感動、地元の消防団員たちのいい刺激にもなっています。さらにそれを熱心に奨励している企業の意識の高さ、地域とともに歩こうという企業の姿勢が感じられ好感を覚えます。
消防団の一員として訓練することは、万が一のときの職場の安全対策にもなり、また地域との交流もできていざというときの心強い存在になります。企業として地域の防災訓練に参加するのとはまた違った連携が進むとともに、普段から地域の中に溶け込んで貢献していくことは企業そのものの信頼にもつながります。会社の建物から一歩地域に踏み出して普段から交流を持ちながら、いざというときに備えていく、そんな強いまちと企業が増えることを期待しています。
(あおやま・かよ=フリーアナウンサー)
















