財団法人労働科学研究所ホームページ維持会ワークサイエンスリポート概要(No.1571〜1590)

労働科学研究所 維持会   ご案内 月例研究会等セミナー ワークサイエンスリポート 


ワークサイエンスリポート 紹介(No.1571〜1590)

ワークサイエンスリポートの,概要文や前書きなど内容の一部を,抜粋してご紹介いたします>

[〜No.1570] [No.1591〜1610] [No.1611〜1640] [No.1641〜1670] [No.1671〜1700]

<ワークサイエンスリポート No.1589・1590>

英国・パートタイム労働者(不利益取扱い防止)規則(その1・その2・その3・その4・了) −IRLB誌8月号(2000年)から−

野沢 浩

 筆者は数年来、英国エクリプス社刊のIndustrial Relations Law Bulletin (IRLB)誌を個人購読している。比較法学的見地からみて参考になる同国の法情報が、比較的に早くかつ適確に把めるからである。当研究所の維持会資料や労働科学誌にも既に何回か上掲IRLB誌上の法情報から、重要と思われる法制度についてその都度情報を伝えてきたところである。
 今回も当研究所の維持会員諸氏の参考用に、数回に分けて速報としてお伝えしておこう。有機契約労働者やパートタイム労働者が、同国では早くからかなり普遍化してきているので、社会政策上の対応としてどのような措置をとっているかを、参考として考察したいと思うのである。勿論同国もヨーロッパ共同体の拘束のもとに、共同体指令(EC Part-time Work Directive-No.97/81)を、1999年上半期頃までに履行する規則草案を定めることを約束していた。
 政府は2000年4月7日までには、英国でも指令の履行を求められておりまた約束していた。また結局2000年1月17日には、規則草案を含む協議ペーパーが刊行され、そして公的協議の期間も2000年2月27日には終了した。そして5月3日議会に提出された修正案が、同22日上院で承認され、2000年5月24日下院で承認された。こうして1999年雇用関係法第19条の定める権限の実現として、当該規則は、2000年6月8日に作られ2000年7月1日に施行された。


<ワークサイエンスリポート No.1585-88>

ACGIH(2000年)の有害物質の許容濃度・生物学的曝露指標値

原 邦夫  花岡 知之  山野 優子

 ACGIH(American Conference of Governmental Industrial Hygienists;米国産業衛生監督官会議)が刊行している有害物質の許容濃度表について,2000年の資料を整理し,前文および注意事項と併せて,その内容を紹介する。
 許容濃度表では,個々の有害物質について,時間荷重平均限界値( TLV-TWA )のほか短時間曝露限界値(TLV - STEL)または上限値(TLV - C)が示されている。経皮吸収によって中毒を起こす危険性のあるものにはその旨が記され,超過限界(Excursion limit)についての考え方も示されている。
 今年度の勧告で,次の17物質に対してTLVが新たに採用された。:アクリロニトリル,アスファルト(石油系)ヒューム,ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル,2,2-ジクロロプロピオン酸,エチル第三ブチルエーテル,小麦粉粉じん,ホルムアルデヒド,無水マイレン酸,アクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,ニトロメタン,p,p'オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド),酢酸ペンチル(全て異性体), フェニルグリシジルエーテル,無水フタル酸,シリカ結晶形石英,テトラフルオロエチレン。
 次の7物質に対するTLV値の変更が予告された。:ジブチルヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene :以前は2,6-ジ第三-ブチル-p-クレゾールとして記載),デメトン,ジクロトフォス,ジオキサチオン,エチオン,メビンフォス,ネイルド。
 新たに4物質に対するTLV値が予告された。:メチルデメトン (demeton-S methyl),グリオキサール (glyoxal),テルブカルブ(terbufos)およびトリクロルホン (trichlorphon)。
 また,19物質は変更予告のまま保留とされた。:アルシン,ベリリウムおよびその化合物,カプロロラクタム,シクロヘキサン,ディーゼル排ガス・粉じん,ディーゼル燃料/ケロシン,1,3-ジオキソラン,エチルベンゼン,エチルヘキサン酸,硫化水素,酢酸イソプロピル,イソプロピルアルコール,モリブデンおよびその化合物,オイルミスト・鉱物,n-プロピルアルコール,セスキ炭酸ナトリウム(トロナ),2,4-および2,6-トルエンジイソシアネート,テレピン,木材粉じん。
 次の3物質に対するTLV値は変更して変更予告に保留とした。;n-ブチルアルコール,酸化プロピレン,合成ガラス繊維・耐火セラミック繊維。
 石炭粉じんは,予告変更から削除し,従来のままの値とした。
 生物学的曝露指標値の勧告では,前文および注意事項を前面改定し,砒素の元素および無機性化合物,ベンゼンおよびテトラヒドロフランの3物質が変更され,ジクロロメタン(塩化メチレン)はそのまま変更予告に保留とされ,従来の「有機燐コリンエステラーゼ阻害物質」を指標値の変更なしに「アセチルコリンエステラーゼ阻害殺虫剤」とした。
 対象物質を日本語慣用句の五十音順で一覧表とした。濃度はppmあるいはmg/m3のどちらかのみ示されるようになり,そのまま表記した。また,利用者の便宜をはかるため,主な物質について示性式(あるいは分子式)を併記した。


<ワークサイエンスリポート No.1584>

テレコミュニケーション(合法的ビジネス慣行)(通信傍受)規則2000
ー被用者の同意なしで被用者の電話・eメールおよびインターネットを監視することを使用者に認める規則の再点検ー

野沢 浩

 この英法に関する情報紹介は、Industrial Relations Law Bulletin (IRLB)652号(November 2000)の最近号(pp2-3)による紹介である。上掲副題に明らかなように、eメールやインターネットの慣用が普遍化するに伴い、被用者側の日常的通 信を使用者側が傍受する事態も発生しているので、RIPAによる規制方法について英国の実態を伝える法情報の速報である。
 The Regulation of Investigatory Powers Act 2000 ("the RIPA")は、2000年10月2日公布後24日に施行されたが、それは、使用者(もしくは明示のあるいはそれとない同意のもとに誰か他者)が、私的なテレコミュニケーションシステムによる送信過程における通信を傍受するのを違反とするものだ。
 但し:
●製造業者や送信者および通信の固有の受信者のいずれもがその傍受に同意していたか、あるいは傍受者が、彼らがこのように同意してきたと信ずることのための”合理的な理由”があれば別である。
 また、
●その傍受が、電気通信(合法的ビジネス慣行)(通信傍受)規則2000によって、認可されれば別である。


<ワークサイエンスリポート No.1581-83>

ヒト健康影響リスクアセスメントの中の曝露アセスメント手順について

原 邦夫

 現在、化学物質のヒト健康リスクマネジメントは、大きな注目をあびている。多くの新規物質を含む多様な化学物質管理の見直しがすすめられ、地域、地球環境や一般ユーザにまで広く深刻な影響を及ぼすようになったことがその背景にある。同時に、総合的なリスクマネジメント手法の活用によって、リスク低減によい効果が上がることが国際的に知られるようになった。このリスクマネジメントは、危険有害要因(ハザード)の特定、影響の量依存性評価、曝露アセスメント、リスクの判定、リスクマネジメント、そしてリスクコミュニケーションのステップで実施されることが広く認められるようになっている(ハザードの特定の後に「できれば避けたい事項」(エンドポイント)の明確化を位置づける動きもみられる)。しかし、これらのステップの中でとくに曝露のアセスメントについての知見が限られているのが実状である。
 昨年度、化学物質のヒトに対する健康リスクアセスメント・システム、とくに作業上の曝露アセスメント・システムに関する調査を行った結果をまとめた。欧米を中心とする動きを踏まえ、実用性の高いアセスメント手法についての考え方をまとめた。わが国の実状に合致した曝露アセスメント手順に関して現場での調査を進めるに当たっての課題を示した。


<ワークサイエンスリポート No.1580>

EUの反差別指令をめぐる動向(その1・その2・その3) −EU関係情報誌から−

野沢 浩

 筆者が研究所へ主管研究員として復帰してから丁度10年になる。この間社会科学特に法律学分野からみて、研究所の研究活動にとり有益と思われる諸情報に関しては、研究所発行の各種刊行物にそれぞれ発表することにより協力してきたつもりである。それというのも、労働科学は単に計量の科学ではなく総合科学であるとする、創立者たちの初志に対し賛同していたからだ。
 復帰以来すぐに図書館に常置すべき海外労働情報誌として、European Industrial Relations Reveiw (EIRR)を選定し購読してきた。ILOが発展途上国や低開発国を包含しての労働条件基準の向上を目指す国際的組織であるのに比べ、EUは欧州といういわば先進的工業地域における、雇用情勢の激変とか技術および労働の変化情勢に関する各国の個別情報を、統合する地域概念として、比較法学的視点からみても有益である。筆者が大学勤務時代に法学研究所用に購読していた同誌を、研究所復帰以来も継続購読してきた趣旨は、上述の通り社会制度研究のため有益だったからで、その有用性はこれからも変わらないことだろう。
 ところで今回同上誌最新号(EIRR 316やERII 312など)に、引続きEUレベルのanti-discrimination packageに関する域内情報が載せられていたので、それらの要旨を順次通報してゆくことにする。経済活動が早くからグローバル化し、雇用諸条件も国際基準化している今日、わが国が先進工業諸国の仲間入りをし技術立国の方針に立つ以上は、anti-discriminationの国際基準に対しても無関心ではいられないはずである。


<ワークサイエンスリポート No.1579>

安全文化概念の起源と展開

井上 枝一郎

 現在、日本の産業界においても、「安全文化」という言葉は、組織のいたるところで話題にされているようである。しかしながら、その扱われかたを観てみると、「理屈先行、実務不在」と言った感がなきにしもあらずである。その最大の理由は、やや行詰まり感のあった企業の安全管理の現状に「文化」という響きの良い概念が突如として持ち込まれたからだと推測される。したがって、「それ安全文化だ!」とばかりにこれに飛びついてはみたものの、では具体的に何を為すべきかという段階になった途端、それは蜃気楼のように捕らえどころのない概念的なものであったという事情ではないだろうか。
 それは、安全研究に携わる筆者等においても同様な感慨があり、「安全文化とは何をすれば達成されるのか」と問われる度に返答に窮するというのが正直なところである。
 そこで、このようなモヤモヤ感を少しでも解消するためには、すでに提唱以後、約十年程が経過しているこの安全文化の現状を一度振り返って検証してみることが有効ではないかと考えレビューを試みた次第である。


<ワークサイエンスリポート No.1578>

日本産業衛生学会および日本衛生学会にみる最近の産業衛生学および衛生学の動向(2000年)

原 邦夫

 本資料は,平成12年4月24日から26日にわたり開催された第73回日本産業衛生学会(於 福岡),および平成12年3月28日から30日にわたり開催された第70回日本衛生学会総会(於 大阪)の概略を記したものである。
 本資料は,上記2学会(主として日本産業衛生学会)の内容を参考に,最近の産業衛生学および衛生学で注目あるいは問題になっている諸事項をなるべく具体的にまとめて示し,最近の産業衛生学および衛生学の動向を把握する手助けとなることを期した。
 上記2学会について,企画された講演の要旨を紹介し,研究会および一般演題について表化してまとめた。第73回日本産業衛生学会については,メインシンポジウム,シンポジウム,特別報告,一般演題(口演)および一般演題(ポスター)ごとにまとめ,第70回日本衛生学会総会については,次期会長講演,学会賞受賞講演,奨励賞受賞講演,公開フォーラム,公開パネルディスカッションおよび一般演題(口演)ごとにまとめた。


<ワークサイエンスリポート No.1572&1577>

英国の剰員解雇(redundancy)の再定義 −最近の判例法からみた法的定義の再考察−

野沢 浩

 わが国では1975年代以降において、裁判所の判例を通じ、整理解雇に関する判断基準が示される事例が多かった。しかし、それ以外に、労基法上に解雇制限規定が定められている他は、景気変動や経営上の都合に伴い生ずるいわゆる整理解雇などに関しては、戦後も55年にわたるというのに、何らの特別法も制定されることなく経過している。
 そして現代の経済状況の中でしきりと、いわゆる‘リストラ解雇’などが社会問題化し、話題となっている。そこで英国の法情報誌(IRLB Jan.2000, 633号)を頼りに、典型的な民主主義国(与党・野党の対立の中で立法活動も盛んな)である同国の法情報の一端を紹介してみることにしたい。


財団法人労働科学研究所ホームページ維持会ワークサイエンスリポート概要(No.1571〜1590)