<ワークサイエンスリポート No.1671-72>
企業における交通事故予防策の実態とルールの役割
北島 洋樹 (労働科学研究所 研究部 主任研究員 ヒューマン・テクノロジー・インタラクション研究グループ、グループ長)
概要
交通事故による死亡者数はこの数年減少傾向にあり、2003年では7000名を下回った。しかし、死亡交通事故において労働災害と認定された死者数は、年間約600名とそれ程の低下を示していない。年間600名という数は、労働災害による死亡者数の約3割を占めている。勤務中の交通事故防止には様々な側面から多角的に取り組む必要があると考えられる。
貨物運送事業、交通運輸事業といった運転自体が業務である業種、営業などのように運転自体は業務の本質ではないが、業務の遂行に運転がともなう業種、および通勤場面を取り上げ、事故の実態や安全対策を概観した。
法規や社内ルールなどによる行動の規制が交通安全に果たす役割とその限界を例示した。罰則規定のみによらないルールによる交通安全行動の形成についての可能性を提示した。
最後に、交通安全対策一般を概観し、根底にあるヒューマンファクターズ研究の重要性を示した。