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<ワークサイエンスリポート No.1668-70>

国連勧告「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(GHS)の産業現場での利用方法

原 邦夫 (労働科学研究所研究部主任研究員 博士(医学)職場環境リスク研究グループ・グループ長)

本資料のねらいと概要
 昨年2003年7月に公表された国連勧告「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」は,化学物質が有する危険有害性(ハザード)に基づいて分類と表示を世界的に統一するシステムです。この国連勧告GHSは,最終的には化学物質名によって規制する日本の化学物質管理の関連法のシステムとは異なっています。強制力を持たない勧告ではありますが,国際的な会議での合意に基づいた様々な国際機関による合同の取り組みの成果でもあり,化学物質管理に関する従来の国際条約などと比較しても,大きなインパクトを日本に及ぼすこととなることが予測されています。リスクアセスメントの最初のステップ「危険有害性の特定」を容易にし,日本の化学物質管理を体系化するためには,国連勧告GHSがおおいに役立ちます。
 本資料は産業現場での国連勧告GHSの活用に力点を置いていますが,国連勧告GHSは消費者による化学物質の使用場面にも関わります。本資料が様々な分野の方々にとっても役立つものであることもねらっています。
 本資料は,国連勧告GHSの内容を実際の産業現場でうまく利用できるように,内容をやさしく解説したものです。危険有害性の26分類,9の絵表示(ピクトグラム,絵文字)および安全データシート・SDSの解説を中心に,衛生管理者の方々を想定しながら,明日からでも国連勧告GHSが導入されても対処できるように,また,労働安全衛生マネジメントシステムの一環として組み込めるようにと願って本資料をまとめています。ただし,国連勧告GHSのみでは次の具体的な対策に結びつきませんので,いくつかの試みについても紹介します。
 ただ,予定よりページ数が多くなりました。新規化学物質を分類する専門家の方以外は,3章は飛ばし,興味がわいてきてから読んでください。